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大清水湿原:尾瀬保護協、シカ防止ネット設置 効果検証へ /群馬

 野生のシカやイノシシによる被害が深刻な片品村戸倉の大清水登山口にある「大清水湿原」で20日、山小屋経営者らでつくる「尾瀬保護協会」(関根進会長)が、シカ侵入防止用のネットを設置した。

 大清水湿原は、約2ヘクタールで、ミズバショウニッコウキスゲ、オゼミズギクなどが自生する。車いすでも散策できる木道も整備され、高齢者などにも親しまれている。今年の5月に、見ごろを迎えたミズバショウの花に見える白い葉の部分が壊滅するほどに食い荒らされる被害が出たことなどからから、試験的にネットを設置し、効果などを検証することになった。

 同湿原を管理する尾瀬林業と同協会は、高さ約2メートル、全長約700メートルにわたり湿原を囲むようにネットを張った。雪が降り出すころには撤去し、ミズバショウが咲き出す来年の5月ごろにまた設置するという。

 湿原の隣で大清水小屋を経営する笠原吉雄さん(55)は、「効果はどうか分からないがこのような実験も必要。元のような湿原になればいいのだが」と話している。毎日新聞 2012年08月21日 地方版