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トキ “絶滅種”からの変更見送り

 野生では絶滅したとして「野生絶滅種」に指定されているトキについて、環境省は、自然界に放され、ふ化や巣立ちが確認されたことを受けて、分類を変更するかどうか検討した結果、野生での生息が定着したとまではいえないとして、変更を見送りました。

環境省は、絶滅のおそれがある野生生物を「レッドリスト」にまとめていて、絶滅の危険度に応じ、国内ですでに絶滅したと考えられる「絶滅種」、野生では絶滅して人の飼育でのみ生存している「野生絶滅種」、それに、絶滅のおそれが高い「絶滅危惧(きぐ)種」などに分類しています。
このうち、日本の野生のトキは、9年前に最後のメスの個体が死んだあと、中国から日本と同じ種に分類されるトキの提供を受けて、新潟県佐渡市で野生復帰を目指した取り組みが続けられていますが、現在は「野生絶滅種」に分類されています。
環境省はことし春、トキの自然界でのふ化や巣立ちが確認されたことから、絶滅の危険度が1つ低い「絶滅危惧種」に変更すべきかどうか検討していました。
その結果、現段階では、野生での生息が定着したとまでは言えず、より時間をかけて慎重に見極める必要があるとして、変更を見送りました。NHKニュース 2012年8月28日