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大気中の酸素濃度増加とプレートテクトニクスの重要なリンクを明らかに~

東京大学

日本の研究> 2016年5月19日の記事 > プレスリリース

地球が地球である理由
~大気中の酸素濃度増加とプレートテクトニクスの重要なリンクを明らかに~

現在の地球は、大気中から深海に至るまで遊離酸素に満ちています。これは地球が太陽系のほかの惑星と大きく異なる特徴の一つであり(図1)、私たち人間を含めた高等生物が生存するための必要不可欠な条件と考えられています。しかしながら、地球の原始大気は遊離酸素が存在しない還元的大気であり、現在のような富酸素な表層環境が実現したのは今からおよそ7-5億年前のことと考えられています。すなわち、地球史の85-90%以上の時代は酸素が乏しかったと考えられているのです。これまでの地質学的研究によれば、大気中の酸素量は約25−20億年前と7−5億年前にそれぞれGOE (Great Oxidation Event; 大酸化イベント、注1)、NOE(Neoproterozoic Oxygenation Event; 新原生代酸化イベント、注2)と呼ばれる酸素濃度の上昇を経て現在と同レベルの酸素濃度に達したことが分かってきています。しかしながら、なぜ2つの段階を経たのか、GOEやNOEがどういったメカニズムで発生したのかは地球惑星科学分野の大きな謎となっています。
https://research-er.jp/articles/view/46509